口の中はトイレの100倍汚い!?【歯周病のもと】
一見きれいに見える口の中でも、細菌は約300種、歯垢1mgあたり1億個以上も生息しています。食べかすなどをそのままにした口の中では、さらに細菌は増殖します。
一方、口から食べない人でも、古い細胞の死骸などに細菌がついています。さらに抵抗力の低下した高齢者では、細菌が増殖し、蓄積しやすくなります。細菌の数や種類から見れば、口の中はトイレよりも汚いという、ちょっとショッキングな状態といえるでしょう。
口内の自浄作用は動かすことでスイッチが入る!!
口の中の汚れは、唾液の自浄作用によってある程度きれいになります。唾液は食べかすを洗い流し、細菌で酸性になった口の中を中性に戻す働きをしています。口臭を抑える効果もあります。唾液は舌を動かす、物をかむ、ほおを動かす、話すなど、口の機能を使うことで唾液腺が刺激され、分泌されます。
しかし、高齢になるにしたがって唾液の量は減少。そのうえ口の動きも低下するために、唾液の分泌が促されず、ますます囗の中が汚れやすくなるのです。
汚れがさらに口の動きを悪くさせる悪循環!!
口の中の汚れをそのまま放っておくと、汚れの。壁”で口が覆われるような状態になります。すると本来しなやかに動くはずの舌はうまく動かせず、ほおの内側も汚れの壁が厚ぐなって感覚が鈍くなります。味を感じる舌の味蕾も汚れの中に埋もれてしまうので、食事を唾液中に 歯をみがかない人はおいしく食べられません。そうなると食欲も低下し、囗から食べることが減っていきます。食べることが減ると、口の動きも減り、ますます汚れを助長することになります。歯周病にもなりやすいのです。
囗の中が汚れやすい人の特徴!!
- 食後歯みがきをしない人
- 唾液の分泌が低下している人
- よくかんで食べない人
- 人とあまり会話をしない人
病気や薬が原因で唾液の分泌が減ることもある!!
唾液は1日に1000〜1500?ほど分泌されます。唾液の減少は老化以外にも病気が原因の場合もあります。糖尿病やシェーグレン症候群はその代表格でまた、利尿剤や降圧剤、向精神薬、抗ヒスタミン剤などのなかには、唾液の分泌を抑えるものがあります。
口が乾燥するときには、お茶や薄いレモン水でブクブクうがいをするのもよい方法です。人工唾液や唾液分泌促進剤もありますから、歯科医に相談してください。