陰陽五行説は、中国古代の文化・思想・宗教に根ざした思想の一つで、陰陽、金木水火土の五つの元素が世界を構成し、それらが相互に作用して、自然界や社会経済などの流動を決定しているとされています。
陰陽に関しては、陽は明るい、活気に満ちたもの、陰は暗い、消極的なものを指します。五行に関しては、金は財富や成功を、木は成長や活力を、水は流れや収集を、火は活動や変化を、土は安定や上昇を表します。これらの五つの元素は相互に作用して、世界を構成し、自然界や社会経済などの動態を決定していると、また、人間の健康やにも幸福への影響を与えると考えられています陰陽五行説は、風水や占星術などにも影響を与え、それらにも用いられる場合があります。
相生関係とは、ある元素が別の元素を増強する関係を意味し、相克関係はある元素が別の元素を圧迫する関係を意味します。木は火を生み、火は土を焼き、土は金を隠し、金は水を鎮め、水は木を潜入させられ、これは相生相克関係になります。が生まれ、世界が動いているとされます。この相生相克関係は、建物や土地の配置やデザイン、経営や人間関係など、様々な面で適用され、幸福や健康を促進するために利用されます。
家相の根本思想となっているのが、古代中国に生まれた陰陽説と五行説という二つの考え方が一緒になった陰陽五行説です。陰陽説は、日々の生活から政治、道徳にいたる物事のすべてを陰(月)と陽(太陽)の二つの要素に分けて考得ているのが大きな特徴です。たとえば、好き・嫌い、暑い・寒い、男・女、天・地、事業の成功・失敗、豊作・不作なども陰陽説に基づき、それらが循環し、調和し、変化して自然界の秩序が成り立っていると考えました。
家相で忌み嫌われている鬼門の方位も陰陽説から生まれたものです。北東の表鬼門は陽、中心をはさんで対称にある南西の裏鬼門は陰とされました。二つの方位それぞれの性質は異なりますが、注意を必要とする場所であり、水まわりや火気などの不浄物、出入り囗などの設置、そして建物の張りや欠けは悪いものとして嫌いました。
五行説は、木・火・土・金・水の五つの物質(五気)に分けてさまざまな現象を読み取るものです。木は、土地に触れて成長する動物や樹木などの生きものを表わし、季節は春で、方位は東。火は、ものが燃える様のことで、季節は夏、方位は南。土は、ものを生み出す土地で、季節の変わり目の土用を意味し、方位は中央。金は、金属、季節は秋を表わし、方位は西。そして水は、水分を表わし、万物を柔軟にして新しい流れがはじまるとされ、季節は冬、方位は北に当たります。このように季節や方位、人間の道徳に至るまで、自然界で起きるすべてのものを五気に分けて判断しました。この五行説の考えが陰陽説に加わり、陰陽五行説となったのです。
五行のバランスを整え、相生関係を利用して「気」を味方につけることが重要です。「五行」は古代中国の思想です。その内容は、森羅万象のすべては見た目は異なっても、つまるところ5つの要素から成り立っている、という考え方です。その5つとは、「木」「火」「土」「金」「水」です。そして木が燃えて火を生み、火が燃えた後には土が生まれ、土の中からは金が発掘され、金が溶けると液体(水)になり、水が木を潤すというように、5要素は関連し合って世界を構成していると考えられます。このように順に生み出していく関係が「相生」の関係です。逆に木は土から栄養を吸い取り、上は水をせき止め、水は火を消し、火は金を溶かし、金は木を切り倒すという関係は「相剋」の関係となります。
風水で家を考える場合には、「形」と「素材」を五行に当てはめて考えます。形では、先のとがった炎のような形の家やビルは「火」と見なし、うねうねと波打った形のビルは「水」と考える、という具合です。素材では、木材や植木は「木」、池やガラスや鏡は「水」、コンクリートや大理石は「土」と見ていきます。家を建てる場合には、家にこの5要素をバランスよく配するように配慮します。これは理にかなったことで、たとえばガラスや鏡ばかりでできた家はバランスが悪く、住む人がイライラするのは当たり前のことでしょう。さらに相生と相剋の関係をうまく利用してよい気を取り込むことも、風水の大切な仕事です。たとえば「水」のようなガラス張りのビルの隣に家を建てるとき、どんな家にすればいいのでしょうか。その答えは木造建築です。こウすれば「木」が隣の「水」から相生関係でエネルギーをもらえて、そこに住む人はパワフルに生きていくことができる、というわけです。また、家の中でも「火」の性質のコンロと「水」の性質の冷蔵庫は側に置かないようにするなど、五行のバランスをとることが快適で安全な家づくりを助けます。
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五行説には、五つの要素を循環させる相生と、五つの要素を対立させる相剋という考え方があります。相生は、本は燃えて火になり、火は灰になってやがて上となり、土の中から金属を生み出す、金属は冷えると露がつき水を生み出す、水は木の養分となって成長させると、なにかを生み出し、循環をして相手を助けるという相性のよい関係です。反対に相剋は、水は燃える火を消し、火は金属を溶かし、金属は斧となって本を切り倒し、本は土から養分を吸い取り、土は水の流れを止めるというように相手を打ち消す、相性が悪い関係です。
五行の相生・相剋の法則は、生活のあらゆる場面で活用できます。また、五行は一白水星は「水」、二黒土星・五黄土星・八白土星は「土」、三碧木星・四緑木星は「木」、六白金星・七赤金星は「金」、九紫火星は「火」というように。人間にも応用できます。たとえば九紫火星の生まれの人なら、生活スペースに「木」の要素を取り入れるといいでしょう。五行説は、自然の営みから政治、個人の生活に至る森羅万象を相生と相克で判断しました。家相で「この場所は水まわりに適さない」「ここに火気を置いてはいけない」などというのも、五行説の相生と相剋の関係と、水まわりや火気の場所の相性から判断しました。つまり、中国思想からみた相性占いと同じものです。
陰陽五行説から生まれたのが十干です。十干は、木、火、土、金、水の五行に、陰と陽を当てはめたものです。
木の陽は甲
木の陰は乙
火の陽は丙
火の陰は丁
土の陽は戊
土の陰は己
金の陽は庚
金の陰は辛
水の陽は壬
水の陰は癸
となります。この十干に、十二支を組み合わせたものを十干十二支といい、この十干十二支に方位に当てはめたものをにじゅうしざんほうぃ二十四山方位といいます。
このように五行説と陰陽説が結びつき、十干や十二支なども組み入れながら、科学的に説明できない吉凶を占う家相が理論づけられていきました。そして重要とされたのが方位盤でした。
「木」
緑色で植物や木を素材とし細長い形の物がラッキー「木」はもともと、葉の生い茂る木を意味し、樹木の成長する様子を表して、エネルギーや若々しさにあふれる春を象徴しています。「木」のラッキー素材は、ずばり植物や樹木です。ラッキーカラーも植物のイメージぴったりの緑色。ラッキーな形は、上へ上へと伸びていく感じから、スッと細長い形や棒や筒状の物が該当します。また、冬が終わって、鳥たちがさえずったり、春雷(春の雷)など、いろんな音が聞こえてくるということから、音のなる物も「木」のラッキーアイテムとされています。
植物
植物や森林の絵や写真でも良いのですが、観葉植物は生きている植物なのでよりラッキーです。ミリオンバンブーのようにまっすぐな物は化殺に最適です。
碧 → 緑 → 深緑
深緑から青味がかった碧のエメラルドグリーンまで。色が濃いほうがよりベターです。
「火」
火を連想させる赤系の色で尖った形の物がラッキーアイテムになります。火」はもともと炎を意味し、エネルギーに満ちあふれた性質を表して、夏の象徴となっています。「火」のラッキー素材は、火や炎そのものです。ラッキーカラーは炎の赤を基本とした色で、ラッキーな形も炎をかたどった三角形や、先の尖った形がベストです。インテリアならば、火を連想させる灯りが「火」になります。また、流行は火のごとく、パッと燃えて消えていくものなので、流行のおしゃれなインテリアなども「火」のアイテムとなります。炎が高いところへ上っていくことから、背の高い家具などもOKです。。
インテリア
先端が尖っていたり、おしゃれな家具は「火」のイメージとなります。三角形はインテリアに取り入れにくい形ですが、角に丸みがあってもOKです。
オレンジ → 赤 → 紫
紫・ピンクからメインは鮮やかなレッド、オレンジまでのバリエーションがラッキーカラーです。
観葉植物
観葉植物は本来「木」のアイテムなので、「火」でしっかり化殺するときは不向きです。ただ、どうしても飾りたいなら、葉っぱの尖った物をチョイスしましょう。
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「土」
土や陶器などでできていて四角く大地色ならラッキーとなります。「土」は土そのものはもちろん、山石などを象徴し、万物を育成・保護する性質を持ち、四季の移り変わりを表します。五行の真ん中に位置するため、安定という意味も持っています。「土」のラッキー素材は、土や石、または土からできた物。ラッキーカラーは土の茶色や砂のベージュ、黄砂の黄色が該当します。ラッキーな形は、四角形などの安定感のある形になります。また、どっしりした印象の物も「土」のイメージなので、重厚感あふれるデザインもラッキーです。
インテリア
四角い形の家具はもちろん「土」アイテムだが、ばくとつとしたイメージや、長年安定した人気の定番商品も「土」に該当。地味だがオーソドックスな家具や、アンティーク調の家具も適しています。
鶯色 → 茶 → イエロー
大地を象徴する茶色を中心に黄色やベージュ、茶色がかった緑もラッキーです。
観葉植物
観葉植物は本来「木」のアイテムなので、「土」でしっかり化殺するときは不向きです。ただ、どうしても飾りたいなら、土が多く水やりが少ないサボテンや多肉植物が良いでしょう。
「金」
丸くて金属製のアイテムで白か銀色ならラッキーとなります。「金」は土の中で光り輝く鉱物や金属を意味し、金属のごとく冷徹で頑固な性格を表しており、季節では秋の象徴です。「金」のラッキー素材はずばり金属。ラッキーカラーは、白や銀色、金色になりますが、金色は黄色が混ざり、「土」のイメージに近くなるので、銀色のほうがベター。ただし、本物のゴールドは、金属そのものなので、金色でもOKです。ラッキーな形は丸や球の形です。また、冷たく感情がない様子から、無機質な印象の物や模様なども、「金」に属していると考えます。
インテリア
丸い形の家具や、金属が使われている家具は「金」のアイテムがベストです。金属がより多く使われ、色が白か銀、形が丸い物ならなお良い。天板が丸くて白く、脚が金属のデスクなどは最適です。
金→白→銀
基本は白銀金だがメタリックカラーもOKです。薄いピンクやブルーなどの淡い色なら部分的に使用しても良いでしょう。
観葉植物
観葉植物は本来「木」のアイテムなので、「金」でしっかり化殺するときは不向きです。ただ、どうしても飾りたいなら、金属製のバケツや丸くて白い鉢に入った、丸い葉っぱの植物をチョイスしましょう。
「水」
曲線が印象的な形で黒や青系色の物がラッキーとなります。「水」は湧き出して流れる水を意味するほか、休息に入るときを表し、冬の象徴となっています。「水」のラッキー素材はもちろん水です。ただし、風水では、水(特に水槽などの水)の取り扱いが難しいので、写真や絵などで代用すると良いでしょう。ラッキーカラーは、黒やグレー、また水を連想させる青系の色です。ラッキーな形は、水から連想する、流れるような流線形や曲がりくねった形になります。また、透き通ったガラスも「水」のイメージに近く、流線形などの装飾品も多いので一石二鳥です。
インテリア
背もたれが流線形のソファや猫足のテーブルなど、曲線が印象的な物がラッキーとなります。テーブルの天板にはガラス製品がおすすめ。また、家具の素材は木製よりも金属が好ましいでしょう。特に波模様や水玉模様などの「水」の柄は、カーテンやラグマット、クッションなど、商品ラインナップが豊富なので取り入れやすいはずです。色がラッキーカラーならなお良いでしょう。
空色 → 群青 → 黒
黒からグレーを経て、メインカラーの藍色・群青色となり、明るめの青から空色までのバリエーションがラッキーカラーです。
観葉植物
観葉植物は本来「木」のアイテムなので、「水」でしっかり化殺するときは不向きです。ただ、どうしても飾りたいなら、水盆に小さな植物を浮かすか、曲がりくねったつるの植物をチョイスしましょう。
基本的には、凶方位にあるべき水回りが吉方位にある場合、その方位の「八遊星の五行」のパワーを用いて方位の吉相を強めます。生気と伏位は「木」、天医は「土」、延年は「金」を意味します。ただし、吉方位にあるべき玄関やトイレなどが凶方位にある場合はやや複雑で、方位の凶作用を弱めるのに、五行の相生や相剋の関係を使い分けなければなりません。
方位の五行は、北は「水」、北東と南西は「土」、東と南東は「木」、南が「火」、西と北西は「金」。これらの五行を弱めるには、基本的には相生の五行を用いれば良いのです。例えば、北東の「土」の凶作用を弱めるには、「土」が生み出す「金」を使えば「土」のパワーが減少します。しかし、この関係を用いると、本命卦自体の五行を弱めてしまうことがあります。例えば、本命卦の五行が「木」の震命タイプの場合。六殺方位の北東「土」を化殺するときに通常どおり「金」を使うと、「金」と相剋の関係にある本命卦「木」のパワーまで弱まってしまいます。そこで、代わりに「土」と相剋の関係にある「水」や「木」を使用。「水」なら、「土」を弱める一方で、本命卦の「木」を強めてくれるのです。
五行を風水に活用していく際に、忘れてならないのが「相生・相剋」の関係です。よく「相性がいい」「相性が悪い」などと言いますが、この「相性」は「相生」からきたものです。相性がいい関係を「相生」、相性が悪い関係を「相剋」と呼ぶわけです。「相生・相剋」の詳しい関係は、簡単に理解できると思います。たとえば、あなたが「火」の性質を持っている人なら、「木」の性質を持ったインテリアを多く取り入れることで、エネルギーが活発になります。
しかし、「水」の性質のインテリアを増やしすぎてしまうと、エネルギーがダウンして、思うように活動できなくなってしまうのです。これは、人間同士の相性でも同じ。成功したいと思うなら、「相剋」を避けて「相生」をめざすのが一番です。また「相生」には、「オモテ相生」(自分を助けてくれる相手)と「ウラ相生」(自分が助ける相手)の2パターンあることも覚えておきましょう。たとえば「土」にとって、同じ相生の関係でも、「火」は「オモテ相生」、「金」は「ウラ相生」になるのです。
風水における「陰陽五行」の重要性は先に解説したとおりですが、ここで問題になってくるのが、大や家の五行をどうやって判断するかということです。まず家の場合は、外観や材質などから分類できます。「五行配当表」に当てはめて考えていけば、初心者の方でも簡単にわかるでしょう。では、人の場合はどうでしょうか。結論から述べると、それは「本命卦」で見ます。「本命卦」とは、人の潜在的適性を表わす八卦(自然界、人事界の現象を象徴する易)で、生年月日によって決まるものなのです。
乾、兌、離、震、巽、坎、坤、艮の八種類があり、震・巽は「木」、離は「火」、坤・艮は「土」、乾・兌は「金」、坎は「水」に分類されます。「本命卦」は、日本の「九星気学」とよく似ていますが、決定的な差は、同じ年の生まれでも男女によって八卦が異なることがあります。また、あくまで方位や色などの吉凶を判断するためのもので、「九星気学」のように、人の運勢を見るためのものではない、という点にも注意してください。
健康になりたいなら、五味と五色をバランスよく食べることがおすすめです。五味とは酸味、苦味、甘味、辛味、塩味のことで、五色は、青、赤、黄、白、黒の色をした食物のことです。この五味・五色は、もちろん五行の木、火、土、金、水に対応したものです。体の中で具合が悪い部分がある場合は、そこにパワーを与える味付けや色の食物を重点的に食べるようにします。たとえば胃がもたれるような場合は、大根やかぶなどの土の中からとれる白い食物を、ややせ味のある味付けでたくさん食べるようにするのです。逆に酸味の強い食べ物は、胃に悪影響ですから控えるようにしましょう。また、調理法は炒める、揚げる、焼く、蒸す、ゆでる、と、いろいろ工夫するのがベストです。市販のものは極力避け、手づくりすることも風水料理の効果を上げるポイントです。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五色 (食物の色) | 青 | 赤 | 黄 | 白 | 黒 |
五味 (好ましい味 ) | 酸味 | 苦味 | 甘味 | 辛味 | 塩味 |
五禁 (避ける味) | 辛味 | 塩味 | 酸味 | 苦味 | 甘味 |
好影響 が出る 臓器 | 肝 (肝臓、 胆のう、 精神) | 心 (心臓、血 管、小腸、 神経系) | 脾 (胃などの 消化器系) | 肺 (呼吸器系 、 大腸、皮膚) | 腎 (泌尿器系 、 生殖器系) |
悪影響 が出る 臓器 | 脾 (胃などの 消火器系) | 肺 (呼吸器系 、 大腸、皮膚) | 腎 (泌尿器系 、 生殖器系) | 肝 (肝臓、 胆のう、 精神) | 心 (心臓、血 管、小腸、 神経系) |
上司とソリが合わない、困った部下がいる、セクハラで悩んでいるなど、職場で人間関係のトラブルが起こったときには、家の方位を「五行」でチェックするのが一番です。
トラブルと関係の深い方位はきれいに片付けて、風通しをよくすること。さらに、「水晶」を置いて「気」を浄化させるのも効果があります。
具体的には、上司との関係は「金」の方位である西北と西、部下や同僚との関係は「木」の方位である東と東南、セクハラ問題は「水」の方位である北を見直してみましよう。
職場での人間関係では、相手の気質を読んで対応していくことも大切です。本来、相手の気質は生年月日から見ていくのが一番ですが、親しくない関係では難しいものです。
そこで、名前の「音の五行」を使った方法を紹介します。名前なら誰にでもわかりますし、簡単に相手の気質をチェックできます。「音の五行表」から、相手の姓名の最初の一文字の「音の五行」を調べます。姓と名で「五行」が違う場合は、姓を中心にして、名の「五行」も参考にしてください。
仕事の人問関係では、「丁、賞、感、微、名」を心がけることも大切。これを守れば、大抵の人問関係は円滑なるでしょう。すなわち、人には「丁寧」に接し、「賞賛(ほめる)」は惜しみなく、そして「感謝」の気持ちを忘れず、「微笑み」を絶やさず、相手の「名前」をきちんと呼ぶということです。
「陰陽五行」を理解していただくために、まずは風水の元となる「易経」の基本的な思想について少し説明しましょう。易経はおよそ2800年前の西周の時代に体系が整ったと言われ、東洋哲学の元となる大切な書物です。易経の基本は「陰陽五行」で、「変化する法則性」を説いているのです。このことは易経の【易】という文字が、太陽を表す「日」と、月を表す「勿」の複合文字であることからも、「陰と陽が交わることにより引き起こされる変化」について書かれていることがわかります。世の中は「諸行無常」で、形あるものは滅び、そして再び新しいものがっくり出されていきます。あなたが望むか望まざるかに関わらず、森羅万象、すべてのものは必ず変化していってしまうのです。
しかし、たった1つだけ絶対に変化しないことがあるのをご存知ですか?それは「すべてのものは、変化してしまうのだという事実」だけなのです。こんな厳しい理論が成り立ってしまうほど「陰陽による変化」は確実な法則性と言えるのです。古来より日本を含む中国文化圏では「物極まれば即ち返る」という法則により、すべては支配されていると考えられてきました。すなわち、地球環境も自分を取り巻く環境も、そして人の心も変化しているということです。しかし、私たち人間は一般的に安定を求め、変化を容易には受け入れられません。人々の多くの悩みは「安定を求める心が、変化する状況に追いつかない」ことに原因があると考えられています。例えば、人々が変化を求める時には、異性との出会いを求めることが多いものです。しかし、恋愛関係になると安定を求め合うようになり、相手の心変わりを恐れるようになるものです。そしてどちらかの心が変化して離れると傷つき、その変化を受け入れられずに、ストーカーのような行為に発展することもあるのです。もし易経の教えを正しく理解すれば、心変わりを当たり前のこととして理解し、冷静に対処できるようになるはずです。
変化は陰陽の法則によってもたらされます。陰陽とは相反する対極を示し、物を生み出す力の象徴とされています。天と地、光と影、太陽と月、男と女、これらはすべて一対のものであり、陽と陰の関係です。そしてこの世のすべてのものは陰陽から成り、たえず変化しながらバランスを収り合っているのです。風水学もこの「陰陽五行」に基づいています。風水で重要なキーワードとなるのが「気」ですが、これもまたこの自然界の法則に従い、陰陽によって生まれ、たえず変化を続けているのです。気はエネルギーと上記しましたが、あまりピンとこない人もいるでし
例えば、森林浴を経験したことのある人ならお気づきでしょう。木々の香りに心がリラックスして、心身が癒された経験があるはずです。その時、心と体に作用したもの、それが気の存在です。リラックスしたのは、森林が発している気が五感を通して全身に伝わり、体に作用した証拠なのです。気は人間をはじめ、天体、地面、水、火、金属、動植物のすべてのものから出ています。気には人問が感じられるものと気づかないものがあり、私たちはそのすべての気の影響を受けながら暮らしているのです。いつも気を感じながら生活しているのですが、普段はあまり気がつくことはありません。家や事務所、またはホテルなどで、「なんだか居心地が悪い」と感じることがありませんか?実はこれは気の影響なのです。ところが人問は順応性が高い動物なので、気のせいと考えるうちにその環境に慣れてしまい、いつの間にか気がつかなくなってしまっているのです。しかし、これらの気はときに精神状態に大きな影響を与えます。気が悪ければ気分が落ち込むなどの悪影響を与え、気が良ければ心が明るくなり、居心地もいいのです。
風水では、この目に見える気を「理気」という方法で、そして、目に見えない気を「巒頭」という方法で判断することができるのです。そして、そこに流れるこれらの気を感じ取り、バランスが良くなるように改善し、風水環境を整えます。風水的改善をすれば「気の流れ」が変わります。簡単に言うと、「邪の気の侵人をしっかり止め、良い気の活性を高めます。そして、その空問に物事を生み出す力を与え、それが永続するように工大する」のです。現代人は、「目に見えないエネルギーの存在を信じない」傾向が顕著です。しかし、信じる、信じないは個人的な問題ですが、自分が関係している場所が「仕事がうまくいく店舗や事業所」とか「住んでいて気持ちのいい住居」になっていることに越したことはないと思いませんか?信じない方は、「おまじない」ぐらいに思ってくださっても結構です。「目に見えない力に、自分の努力を後ろから後押ししてもらう」と考えて、この「目に見えない力というもの」、つまり「風水を整えるということ」を実感してみてはいかがでしょうか?とかく「ビジネスがうまくいかない」と嘆いている方の話を聞くと、「努力とは、逆風のなかで汗水流してオールを漕ぐこと」のように考えている方が多いことには驚かされます。汗水流すのは大切なことですが、逆風を順風に改善することのほうが先決だとは思いませんか?どうせ同じように汗水流して努力するのなら、順風に後押ししてもらったほうが早く目的に到達できるのは説明するまでもありません。上でも解説ししましたが、風水は吉相を呼び込む「環境整備学」であり、「運命開運学」でもあるのです。風水を人生で活用すれば、心地よい空間で生活や仕事ができ、自分の潜在能力を引き出して、後天の運を高めることができるのです。
家の気は、どんなインテリアを置くかによっても大きく変わります。インテリアの趣味は人それぞれあると思いますが、風水を優先させるなら、まず自分の「五行」と相性のいい部屋づくりを目指すことです。たとえば五行が「火」のあなたにとって相性がいいのは、オモテ相生である「木」の性質を持つウッディ調の家具など。逆に相性が悪いのは、ガラス素材や鏡など「水」の性質のものです。ただし、五行を使ったインテリア選びの難しいところは、相性のいいものだけで揃えるのではないということ。相性のいいものをベースにして、ほかの五行もバランスよく取り入れていくのです。風水の基本は、バランス。どんなに好相性のものでも、偏りすぎると逆効果になります。インテリア選びをする際は、この点にも注意するようにしましよう。
中国の「五行」説の考え方は民間でもあらゆるものごとに活用されており、風水にも応用さています。「五行」は、万物を木・火・土・金・水の五つの性質(局)にあてはめてとらえ、物 事や現象の相剋と相生を論じています。つまり、この相剋・相生説の登場によって森羅万象の変 化・運動を論証する理論が整ったのです。五行をもとにした考え方で「五象」という五行哲理があります。
これは方位のもつ意味と徳を教えています。それを仕事との関係でとらえると、次のようにな ります。東=「仁」を示し、受付などの業務に適している。 西=「義」を示し、外回りや営業、接客業に適している。中心=「信」を示し、各部の責任者を置くのに適している 南=「礼」を示し、接待や事務職、工員などに適している。 北=「智」を示し、物流や運送、倉庫管理などに適している。以上に基づいた、それぞれの方位が示す幸運色は次のようになります。
東=青
西=白
中心=黄
南=赤
北=黒
青と相性のよいのは赤、赤は黄、黄は白、白は黒、黒は青です。これは「五行」の相剋関係による 相性に基づいたものです。図(相剋・相生)を見てわかるように、右回りに相性のよい関係とな るわけです。逆に剋する(=相性が悪い)のはひとつおきに並ぶ関係です。その系統の色同士の組み合わせは避けたほうがよいでしょう。なお、ここでいう赤などの色は必ずしも原色でなければならないというのではあり ません。その系統の色調であればその色と判断して構いません。また、微妙な中間色は、
紫=赤十青
茶=赤十黒
水色=青十白
という具合に色の成り立ちを考え、ふたつの意味をもたせて判断します。
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